第21章 不安定な気持ち
『恋次…黙っててごめんなさい…』
「別にいいけどよ…」
恋次がそう言ってため息をついた。
【◤◢緊急事態発生◤◢◤◢緊急事態発生◤◢真似する人々(イミテート)と思われる集団が十一番隊隊舎近くにに出現!!各隊の隊長格、隊員は直ちに現場にむかえ!!】
『こんな時に……』
「ボクは先に行っとるわ!君らも着替えておいで!」
ギンはそう言うと瞬歩で向かった。
レンと恋次も着替えて向かった。
『え…?嘘…』
レンと恋次が向かう途中、1人のイミテートが恋次の姿となって現れた。
「レン…お前みたいな雑魚は要らねぇんだよ…」
イミテートはそう言ってニヤリと微笑んだ。
『…っ!?』
レンの霊圧が不安定になる…
「落ち着け…レン…俺はここにいる。アイツは偽物だ。」
恋次は後ろからレンを抱きしめて言った。
「弱いやつだな…それでも隊長格か?愛する男の姿をしただけであの時よりも心が乱れるなんてなぁ?」
イミテートはそう言って刀を抜く。
「吠えろ…蛇尾丸」
『嘘…始解まで…』
「その名の通り…真似してきやがった…」
レンと恋次は驚きを隠せない。
『恋次…あたしは大丈夫。下がっといて…あたしも恋次の斬魄刀の力借りるわ…でも、力を100倍にせんと勝てない…100倍にするには時間がかかる。時間稼ぎしといて…響け…乙姫…』
レンはそう言うとガラスのように透き通った乙姫を取り出した。
「おう!任せとけ!!」
恋次は己の姿をしたイミテートに向かっていった。
レンは乙姫を自らの体に切っ先のほうをむけて目をつぶった。
『天よ…地よ…我が刀と我に力を授けたまえ…代償として我が霊力をその借主に与えよう…吠えろ…蛇尾丸…』
乙姫は蛇尾丸の形に変わった。1つ蛇尾丸と違うのは透き通っていること。
「恋次!!そこどいて!!」
レンのもつ蛇尾丸がイミテートのほうに伸びた。
レンは何故か目を閉じたままだ。
「目を閉じているのに何故だ!?どうせまぐ……」
まぐれだろうと言おうとしたイミテートの体にレンが持つ蛇尾丸の刃が刺さった。
「な、なぜ…」
イミテートは苦しそうに問う。