蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第362章 笑って生きて行く2-3
児童福祉施設
-園のリビング-
雅紀side
翔ちゃんを、迎えに行って…
園のリビングで、ソファーに座るや否や
翔『課題…』
と呟いた翔ちゃん
数学の教科書開いて、課題を解き始めたのはいいけど…
(翔ちゃんが課題を忘れたの?)
本当に…どうしちゃったの?翔ちゃん…
迎えに行くと、いつもの二宮家の明るい雰囲気じゃなくてさ
カズくんも、智くんも、半泣き状態で目を真っ赤にしてるしさ
可哀想に…
こういう時、俺は、どういう態度でいれば良かったんだろうね?
いつもだったら、カズくんに
和也「もう!雅紀くんうるさいよ!」
って言われちゃう様な明るく…努めて明るくして
当然だけど、カズくんには俺に突っ込んでくる余裕なんて無いし、智くんも、冷静だよ?って感を出して…
二人ともさ、早く翔ちゃんの苦しみの訳を知りたい。翔ちゃんを助けてあげなきゃって…
けど焦って聞き出しても、良い結果になると 思えないから
ザワつく気持ちを押さえてるのが、痛い程に伝わって来たんだよね
-園リビング-
雅紀「翔ちゃん、今日はサボりの日でしょ?課題さ、コレしてからでも良くない?」
翔ちゃんの中で、課題をしないで学校に行くのって、あり得ない事なんだろうからね?(俺は 時々しないで学校に行って、先生に怒られてばっかだったけどね)
物事の順番を変えてみよう?って提案すると
翔「ジェンガ?」
「まぁくん、うまいんだよ」
雅紀「こら!大翔(ヒロト)!相葉先生だろ?」
保育園の年中組で5才の大翔が(風邪気味だから大事を取って保育園を休んでるんだ)横からチャチャを入れて来たんだけど
翔「ジェンガする…」
って翔ちゃん
なんか…ジェンガに、集中している感じは無くて
今、何を考えてるの?翔ちゃん?
俺も翔ちゃんが気になって、ジェンガに集中しないで…
一本抜いた結果
ガラガラガッシャーン
雅紀「あーっちゃー」
大翔「まぁくん、へたくそ」
雅紀「大翔!うるさいよ!」
翔「ねぇ、雅紀くん?」
俺が大翔を嗜めようとしたのと、翔ちゃんの苦しげな声音が重なって…
雅紀「うん?翔ちゃんどうした?」