蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第207章 ずっといっしょ…5
2018.4月
某地方 -櫻井家リビング-
翔side
翔『今…… お母さん何て言った?』
智絵『あのね……』
翔『そんな……』
僕は櫻井翔。高校3年生17歳
高校入学のタイミングで、8歳まで祖父母の家で育った経緯をお母さんは話してくれたんだ
その時から漠然と考えてたんだけど……
翔『お母さん、僕医者になりたい。癌で苦しむ人の為に新薬を開発する仕事がしたい。って言ったら…… 経済的に困るなら…… あ』
智絵『翔ちゃん、諦めるって言おうとした? お金の事なんて心配しないの。お母さんがガッツリ溜め込んでいるから心配いらないわよ』
流石だ…… お父さんと結婚した時。看護師になるって決めた時。僕を産んだ時。そして今…… お母さんはいつも、前向きでパワフルで
翔『お母さん、心配いらないからね。僕お母さんのために頑張るから』
智絵『翔ちゃん……』
──
2019.3
翔の部屋
翔「ヨシ! 計画立てよう」
医学部に無事合格して。4月からは大学生だ
(これからは、今までみたいな生活は出来ないんだから)
翔「僕が頑張らなきゃだよね」
バイトも決まったし……
半日掛けて作り上げた、生活のサイクル表を見ながら
翔「かなりハードだな……」
って。何弱気になってんだよ。翔!
まだ何も始まってないし、何もしてないじゃんか!
翔「今まで頑張って来たお母さんを助けるんだ」
天井を仰ぎ、独り言を言いながら
翔「サトシくんと、カズくん元気かな?」
8年間…… 物心付いて4年? 5年? の幸せな記憶。おじいちゃんとおばあちゃんに愛された日々
サトシくんと、カズくんにも……
智.和也『ダメ! しょうちゃんと、おいら(おれ)はずっといっしょなんだから! バイバイなんてしないからね! しょうちゃん? ずっといっしょだもんねぇ?』
翔『しゃとたんかじゅたんしょーいっちょ』
翔『どちて? どちてなの?』
智.和也『どちて~どちてなの~?』
翔『しゃとたんかじゅたんどちて?』
和也.智『どちてぼうや。大好きだよ』
翔「うん。僕もサトシくんとカズくん大好きだよ…… サトシくん、カズくんに逢いたいな……」