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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第682章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2 番外編1


 -一週間前-

『私達は、ケーキ作りは不得手でして。子供達 一人ひとりに合ったケーキを作ってあげたいと…… この前子供達が、とても幸せそうにケーキを食べている姿を見て。 私達厨房スタッフはケーキが作れるようになりたいと思ったんです。作り方を教えて頂きありがとうございました』


 園長先生からのお願い『厨房スタッフさんに、ケーキの作りをお教え頂けませんか?』って。

 厨房スタッフさん達の、想いや夢を聞いて。俺達五人は『喜んでお手伝いさせて頂きます』って、お答えしたんだ。

 一週間、厨房スタッフさんが交代で研修に来られて。今日は、園の仕事もあるからね。厨房長さんだけフリージアに来て頂いて一緒にケーキ作りをしたんだ。


 ──

「子供達が『 もう一度、フリージアのケーキが食べたい!』って。滅多におねだりをしない子供達が、何回も何回も。その夢を叶えてあげたくて。皆さんありがとうございました」


 園長先生の言葉が嬉しかった。

 翔「ありがとうございます。俺達も子供達が『美味しい!』って笑顔で食べてくれた事。とても嬉しくて幸せです」

『美味しい』

 こんなパティシエ冥利に尽きる言葉はないよね。

 ──

 美桜ちゃん、一生懸命に俺に『ね』『あのね』って、おしゃべりを聞かせてくれて。

(四歳……涼優花、風優花と同い年……)

 涙が、溢れて来そうで……

 美桜「いたいの? よしよし、いいこね」


 美桜ちゃんは、そんな俺の顔を心配そうに覗き込むと『いたいの? よしよし、いいこね』って、椅子の上に膝立して、頭を優しく撫でてくれたんだ。


 椅子の上で膝立は危ないからね。椅子に座らせてから。

 翔「ありがとう。痛いの治ったよ」

 って微笑んで見せると美桜ちゃんは笑ってくれて。他の子供達も。

 その影で。

 サト、カズ、雅紀にぃ、潤にぃが心配そうに、俺を見つめてたなんて気付きもしなかったんだ……














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