にんかつ!〜もうっ♡そんなに入れちゃらめぇっ♡♡〜
第2章 子どもの誕生日は12月25日がいいとキミが言ったから
「人間の妊娠期間は十月十日(とつきとおか)。つまり逆算すると? そうだとも、今日!2月15日!今日妊娠すれば、12月25日に子どもが産まれるんだ!」
ブボッ、と有羽は味噌汁を吹き出しかけた。
「やだあ、それ面白い」
クックッと腹を抱えて笑いを堪える。
そんなに都合よく妊娠できるものか。例えできたとしても、正確に十月十日で産まれるはずはない。
「いいこと?秋也くん。妊娠期間ってのは最終月経日からカウントするものであって、性交日からじゃないのよ。そもそも十月十日というのは9ヶ月+10日目を指すものだしね。それとWHOの指針としては…」
とうとうと正論を語る有羽の話は耳に入らなかったようで、秋也は「ようし!」と立ち上がった。
「今日が休みで本当によかった!ああ、これはカミサマもオレたちを応援してくれているのに違いない!有羽、1日かけて、絶対に妊娠させてやるからな!」
キラキラと目を輝かせる秋也。それを見た有羽の笑いはスッと引っ込んで、「マズイ」の3文字が脳をよぎった。
こういう時の秋也は人の話を聞かないのだ。