第3章 満月の夜
光秀との初めての夜。
共に生きる覚悟を決めた。
貴方が私の中にゆっくりと入ってくる。
それは甘美で切実な欲望。
「あっ、はあっ、ああ!」
全身で光秀を感じる。
身体が、心が、満たされていく。
やがて隙間なくピタリと重なり、二人はひとつになった。
ずっと貴方にこうして愛されたかったの。
もう離さないで。
胸が苦しい。嬉しくて。切なくて。何故か泣きたくなった。
「さえり、痛く、ないか?」
光秀の額にはうっすら汗が滲む。
「胸が……」
「胸がいっぱいで、痛い……です」
でも、もっと貴方でいっぱいにして欲しい。
「あまり、煽ってくれるな……手加減が出来なくなる」
少し頬を染めた光秀の背に手を回す。
ねぇ、緊張、してるの……?
お互いに指先が少し震えている。
「手加減、なんて、しないで……」
貴方の全てを感じたいから。手加減なんていらない。
強く抱きしめられ、光秀が激しく動き始める。
「あん、ああっ、んんっ、はあっ」
腰の動きに合わせて、歓喜の声をあげる。
貴方の息遣いが耳元で聞こえる。
私の身体は否応なく反応する。
「ああ、光秀様っ、いいっ、イくっ」
全身に電気がはしる。
「何度でもイけ」
身体が痙攣する。もう自分では制御できない。自分の身体なのに、自分じゃないみたいだ。
ぞくぞくする。
やがて。
「さえり、イくぞ」
ああ、貴方の全て、私に下さい。
さえりは光秀の想いを全身で受けとめた。