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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第6章 ✼弟切草✼



§ 結Side §


「結様……!」


「お久しぶりです、皆さん」


一年ぶりに安土城に帰ると、城番をしていた家臣の方が驚いたように声を上げる。


「お帰りなさいませ……!直ぐに御館様に伝えて参ります!」


そう言ってドタドタと城の中に入って行った後、私も安土城の中へと足を踏み入れる。
皆に会いたいけれど、急に帰ってきて迷惑ではないか。怒ってはいないか。今は忙しいんじゃないかとか要らないことを考えて中々足が進まない。


「結」


そんな時、目の前で威厳のある声が響いた。
考え事をしていて、人が近づいてきたことにも気付かなかった私はハッとして頭をあげる。
そこには漆黒の髪を持つ第六天魔王が仁王立ちしていた。


「信長…様……」


「俺の許しも無しにどこをほっつき歩いていた」


「……っ…、すみません……」


そのオーラに圧倒されて何も言えずにいると、信長様の手が振り上げられる。


(……っ!)


咄嗟に目を閉じるも、想像した痛みは訪れず、代わりに大きな手が頭に乗せられた。


「まあ良い。秀吉のやつが心配しておったぞ」


「なんで……」


謙信様も信長様も誰も私を責めない。
今までも感じていたけれど、こうして改めて皆の優しさに触れるといかに自分が恵まれているかを思い知らされた。


「結!!」


再びドタドタという足元と共に私の元へ走ってきたのは秀吉さんと政宗。その後ろから家康が歩いてきていた。


「帰ってたのか!無事でよかった……」


「心配かけてごめんね、秀吉さん」


フッ、と息を漏らして去っていく信長様と入れ替えで三人に囲まれる。


「お前が居なくて寂しかったなー。家康も寂しそうにしてたし」


「してません」


「嘘つけ。さっきだって早歩きしてただろ」


家康のツンデレを見るのも久しぶりで思わず笑みが零れてしまう。


「……何笑ってんの」


「ごめん。つい」


「今日はお前が帰ってきた祝いの宴があるからな。俺の料理楽しみにしておけよ」


「本当?政宗の料理も久しぶりだから嬉しいな」


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