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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第4章 ✼勿忘草✼



「お前が右、俺が左に付ければ良い」


(それって謙信様とお揃いって事?)


「嬉しいです…ありがとうございます、謙信様」


元々付けていたピアスを外してお揃いのピアスを右耳に付けると、謙信様は満足そうに笑った。


「お前の耳に傷がついてしまうのが気になるが…やはりよく似合う。綺麗だな」


「ありがとうございます…」


「俺のはどうやって付ける」


「あ…はい。少し痛いかもしれないですけど我慢してくださいね」



……
………


(手が震える……)


謙信様のピアスを開けるとは言ったものの、どうしても怖くて思い切る事が出来ない。


「何をしている、結」


「すみません…えっと…謙信様の耳を開けるのが申し訳なくて…」


「お前に付けられた傷なら何とも思わん。一思いにやれ」


(開けられる方が強気だ……)


もうやるしかない、と思い、私はピアッサーを押す手に力を込めた。


————————カシャンッ……


*。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+*

「わあ…!謙信様、とっても似合ってます!」


予想通り選んだピアスは謙信様にとても似合っていた。


「怖気づいたり喜んだり、愛らしいな、お前は」


綺麗なピアスは謙信様の美しさをより一層際立させていて、女の私から見ても綺麗だった。

そして、このピアスを選んだ理由がもう一つ。


「謙信様の刀が姫鶴一文字というと聞いたので、鶴を見てちょっと気になったんです」


「それで鶴か」


「はい。だから謙信様……戦の時はこれをお守りにしてください。無事に帰ってこられるように」


「結…分かった。戦の時はこれでお前を思い出そう」


謙信様に頭を引き寄せられ、額を合わせると、二つのピアスがシャラッ…と音を立てて合わさった。





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