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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第4章 ✼勿忘草✼



「結!聞いたよ?告白されたんでしょ?」


お昼休みのオフィス内に響く凛(りん)の声。
本人は小声で喋っているつもりなんだろうけど、恐らく近くにいた人には聞こえていただろう。


「ちょっ…声大きい!とりあえず移動しよう!」


庭園のベンチに腰掛けてお弁当を開くと、凛は好奇心旺盛な子供のように顔を覗き込んできた。


「で?告白されたんでしょ?烏丸くんに!」


「どこから聞いたの……」


「社内で知らない人居ないんじゃない?イケメンって有名な烏丸くんがフラれたって」


「う……」


「ありえないよ!あんなイケメンに告られておいて断るとか!」


「彼氏…がいるんだよね」


「え?!嘘誰?初めて聞いた……」


あの日から沢山の時間が過ぎた。
謙信様の隣に帰りたいと願うのに、新しい友達が増えて大切な人も増えた。


「今は会えないの。紹介したかったな」


「そうなんだ~次会えたら紹介してね!」


「うん……」


ワームホールが出るのを待っているうちに四つの季節が過ぎ、一年という月日が経とうとしていた。
謙信様の声を忘れた日はない。
お姿を思い浮かべなかった日はない。
だけど謙信様の温もりだけは、どんどん記憶が薄れていく。
涙が枯れるほど泣いたのに、神様のイタズラは随分と意地悪なものだった。


それでも私の気持ちが謙信様から動く事は絶対に無い。


「はぁ…今日も無理か」


踵を返し、境内を抜けて家へと向かう。
帰り道に新しく出来た雑貨屋へと入った。
店内を見て回ると、あるアクセサリーが目に止まった。


「これ……」




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