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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第13章 ✼碇草✼



§ 謙信Side §

そよ風の中、聞こえた小さな寝息。
俺の天使が腕の中ですやすやと眠っていた。


(最近は疲れていたようだからな……)


結は人一倍優しく、お人好しで頑張り屋だ。
だからこそ、自分が疲れている事にも気付かない時がある。


「……本当に、こういう時ほど邪魔が入る」


感傷に浸っていた時に耳に入った足音。一つじゃない、複数いる。
折角ここは人の声が入らない、風の音だけを楽しめるところだというのに。


「おい!良い身なりしてんじゃねえか!女も連れてよぉ……その女と金を置いて…っ…がはっ…?!」


「煩いぞ。結が眠っているのが見えんのか。起こしたらどうする」


言い終わらないうちに斬りつけると、男は反撃もせず、ばたりと倒れた。

その後に斬りかかってきた5.6人も全く骨のない奴で、まるで俺が一方的にいじめているようになってしまう。


「そこで黙って寝ていろ。この子が起きてしまう」


少し邪魔が入ったがそろそろだ。
長い年月をかけて結の為に皆が作り上げたものが形になるまで、もう少し。

結と歩む新しい未来まで……。


「お前はどんな顔をしてくれるのだろうか。とても……楽しみだ」



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