第6章 三度の飯より
翔「え...、」
翔の動きが止まる。
翔「てか、何で振られたこと知ってるの?」
「え、噂で?」
さすがに、『ごめんね、聞いちゃった☆』なんて言えない。
翔「なんで疑問形?」
そういえば、いつもそうだった。
翔はいつも彼女ができた時も別れたときも、
あたしは噂で聞いて初めて知ってた。
翔はいつもあたしに何も言ってくれない。
今まで気にしたことなかったのに、何でだろう。
「隅野さんのこと、そんなに好きだったの?」
翔「深雪には関係ないだろ。」
突き放されると妙にイライラする。
「そうだけどさぁ、そう言わなくてもいいじゃん。」
翔「何だよ急に、今まで何も聞いてこなかったじゃん。」
「だって翔、ずっと変だし。」
翔「そう?別に普通だけど。」
「明らかに違うよ!
だから隅野さんに振られてそんなにショックだったのかなって、
心配してんの、あたしは!」
翔「なにも、怒るなよ。」
「怒ってない!」