第7章 大阪城攻防戦 ~逆心を宿すモノたち~
鯰尾「あの、大和守さん・・・」
少し困ったような顔をして、鯰尾が僕を見る。
きっと兄弟と話し合いたいんだろうな。
大和守「しっかり話し合えばいいと思うよ」
きっと、主ならこう言うと思う。
いつも僕たちの想いを応援してくれる。
そんな・・優しい人だから。
鯰尾「・・・まず最初に言わせてほしい。骨喰、薬研。皆を置いていって、ごめん」
きっちりとした誠意が伝わるかのような一礼を鯰尾がする。
普段はおちゃらけた言動の多い鯰尾だけど、本当は心根の優しい、とても仲間思いの刀剣男士。
だからこそ、僕たちも影ながらに心配をしていたんだ。
鯰尾に早く、粟田口の兄弟を会わせてあげたいって。
骨喰「・・・・・」
鯰尾「薬研の言う通り、俺は皆を置いて行って迷惑や心配をかけたことは本当に申し訳ないと思ってるし、許しを請うつもりもない」
骨喰「・・なにか考えがあったんだろう、兄弟」
鯰尾「うん。いち兄が主と決別をしてここで誰にも見つからないように過ごそうって言われた時・・・俺は“違う”って思ったんだ」
鯰尾から、初めて自身のことについての話を聞いた。
小夜が少し心配そうな顔で僕を見つめるから、微笑んでこっそり耳元で囁いた。
大和守「大丈夫だよ。なにがあっても僕たちは鯰尾を信じよう」
小夜「・・・うん。そうだね」
僕たちにも聞きたいことはあるけど、彼らに比べれはそれはとても小さなことだから。
今は少しでも彼らを触れ合わせたい。
鯰尾「俺はいち兄が本当に主と離れたいと思ってないって思った。だから俺だけでも主と繋がっていれば、いつか必ず兄弟といち兄と巡り会えるって・・・そう思ったんだ」
骨喰「俺にもそう、一言いってくれれば良かっただろ」
鯰尾「うん。ごめん。だけど言ったら間違いなく思いつめちゃうだろ骨喰は」
少しとぼけたような口調で、鯰尾が笑う。
薬研「鯰尾と骨喰が二人して居なくなれば、他の弟たちが不安になるって思ったんだろ」
鯰尾「そんな大層なこと思ってないって!」
骨喰「・・俺は兄弟が一人で寂しい思いをしていないか、ずっと心配していた」