第7章 大阪城攻防戦 ~逆心を宿すモノたち~
=大阪城:地下=
鶴丸「それにしてもまさか二部隊で同時出陣とはな・・驚きだぜ」
安定「僕も先陣が良かったなぁ~・・後方じゃ戦えない」
加州「なに言ってんの。俺たちが後方にいるから第二部隊が先陣きって戦えるんでしょ」
安定「そんなのは分かってるけどさぁ~!」(ムゥー)
「次、戦闘があったら疲労度も考えて前線と交代をするつもりだから。それまでは大人しくしてて、安定」(フフッ)
安定「やった!さっすが主っ!」(ワーイ!)
「鯰尾は大丈夫?」
朝から静かにしている鯰尾にそっと話しかけた。
鯰尾「はい。俺は大丈夫ですよ」(ニコッ)
いつもの、愛嬌のある笑顔で鯰尾が笑う。
それに合わせるように私も微笑む。
(・・・あぁ、無理をさせている)
「大丈夫」と聞かれて「大丈夫じゃない」と言える子じゃないって分かっているのに。
粟田口の子たちがどんな状況になっているかは分からないけど。
でも、この場所にいることは間違いない。
そして何度も何十回も呼びかけても姿も見せてくれないもの。
《・・・・寂しいよ、主》
《・・みんなと離れるのは寂しい》
私の声に唯一反応してくれたのは鯰尾。
でも、寂しい寂しいと想う彼に、私は彼を呼ぶのをためらった。
《・・・俺を使って、主》
それは後ろから、手を引っ張られたような感覚だった。
目を開くと目の前には同じくらいの少年が、静かに涙を流していた。
そしてそのまま音もなく片膝をつくと、私の手をそっと優しく握りしめる。
鯰尾『・・・俺の名前は鯰尾藤四郎。主。俺をどうか・・どうか、兄弟を繋げる為に俺を使ってください・・っ』
まるで誓いの儀式のような綺麗な光景。
とても美しい。
なのに、心に刺さる言葉はとても切なくて――。
「・・・・・」
それが最初で最後の鯰尾が見せた弱さだった。
そのあとに詳しく話を聞いても当の本人は記憶が曖昧で、理由は分からないけど兄弟たちと会うために本丸に来たと言っていた。
どんなときも笑顔で皆を楽しませてくれた鯰尾の明るさに、何度勇気づけられたかきっと本人には分からない。
でも確かなことは・・。