第6章 花火に込める思い
「なぁ、ユウリ。残りの書類全部太宰の分じゃねぇか?」
中也に近寄って見てみると残り全ての書類が治の分だった。
「なっ!まさか、最初から私に押し付けるつもりで………はぁ」
それから、首領に呼ばれて首領室に中也と来た。
「「失礼します、首領。お呼びでしょうか?」」
「中也君、ユウリちゃん、待っていたよ。」
其処には首領の他に姐さん、Qちゃん、広津さん、梶井、芥川君、銀ちゃん、治そして首領の隣に立つエリス嬢。
「集まったね。皆知っての通りポートマフィア本部のほとんどの冷房が壊れてしまったので明日、一日を使って業者に直してもらおうと思うんだけど、そうすると皆休みにすることになる。」
エリス嬢が満面の笑みで
「だから明日ヨコハマ一の大きな花火大会と夏祭りがあるから皆で行きましょう!」
「という訳で今日は2日分の仕事を終えるように。明日は皆浴衣で来てね。」
突然の事で一瞬皆驚いたが
「「「「「「「「「御意」」」」」」」」」
首領室を出た後、姐さんが「ユウリ、明日着ていく浴衣はあるのかね?」
「うん、確か箪笥の中に入ってあったはず。でも着方がわからないんだよね。」
「なら、妾の家に来ると良い。Qもちょうど良いサイズが有るから。」
「分かった、ありがとう姐さん。楽しみだね、Qちゃん!」
Qちゃんは笑顔で
「うん!僕、お祭りに行くの初めて!」
「でも、人形は危ないから置いていこうね。」
「はーい」
少し悲しそうに返事をした。
その間にこっそりと逃げようとした治の首根っこを掴み「なに、人に仕事押し付けといて一人でサボろうとしているの!」
治は悪びれる様子もしないで
「じゃあ、そこにいるチビ帽子にやらせれば良いじゃないか!」
「おい!誰がチビ帽子だ!自殺ミイラ男!」
中也と治の言い合いが始まった。
ブチッ!!(堪忍袋が切れた音)
ゴン!!ゴン!!
「「ッ!」」
「治は自分の分はちゃんと自分でやりなさい!中也も五月蝿い!暑さのせいでイラつくのに更にイラつかせないでよ!」
「「はい、すいませんでした」」
私に拳骨を落とされた治と中也は頭をさすりながら返事した。
そして、現在に至る。