第1章 桜がくれた時間
それから数日後。
太輔「、出かけるよ」
「えっ?どこへ」
太輔「ヒ・ミ・ツ(笑)」
太輔はニコッと笑うと、私を助手席に乗せ車を走らせた。
着いた所は、とある川沿いの道。
太輔「、ちょっと目閉じて」
「うん」
私は言われた通り目を閉じた。
太輔に連れられ歩くこと数分。
「ねぇ、まだ目開けちゃだめなの」
太輔「うん、もう少し………………もう目開けていいよ」
そう言われ目を開けると、そこは一面ピンク色の世界だった。
「わぁ!綺麗!!」
太輔「がお花見したいって言ってたじゃん。だから、穴場ないかなぁって思って探したんだ」
「あの時呟いた言葉、聞こえてたんだ」
太輔「の言葉は全部聞こえてるよ」
太輔は、いつも私を喜ばせようとしてくれる。
彼は本当に、私には勿体ないくらいだよ。
あまりにも桜が綺麗なので、なんだか涙が溢れてきた。
その涙を指で拭うと、太輔は優しく抱きしめてくれた。
太輔「なかなか会えなくて、寂しい思いさせてごめんな。俺、の事マジだから………大好きなの笑顔をたくさん見たいから、これからもが喜ぶ事をしてあげるよ。だから、ずっと一緒にいてほしい」
「はい」
桜がくれた大切な時間。
会える時間が少なくても、その分会えた時間が満たしてくれる。
そんな事を感じさせる時間だった。
ーendー