第2章 プロローグ
ふと目が覚める。
窓の外はまだ暗く、ドアの外からも人の気配は感じられない。
(はぁ…またか…)
いつも夢で見るこの脳の持ち主の記憶は誰かに会いたくて会いたくて焦がれている。そしてこの夢を見ると、決まって早くに目が覚めてしまうのだ。
いくらセカンドエクソシストで体は寝不足で平気だとしても、気持ち的にはすっきりしない。それにまだ私の中には夢で出てくる誰かに会いたいという気持ちでいっぱいだった。
「何度も何度も繰り返し同じ夢を見せるんだったら、その会いたい誰かさんの顔でも見せてくれたら良いのに……」
言っても意味がないと分かっていてもどうしても言いたくて呟いてしまう。もう一度溜め息をつき、私は気持ちを入れ替えるために教団の中にある森に散歩しに出かけた。