第4章 再会
ぱっと目が覚める。いつもと少し違った今日の夢。いつも分からなかった会いたい貴方の顔が今日、やっと分かった。髪がふわふわそうで 左の目元に泣きぼくろがある貴方の顔。もしも会えて話をしたら気が付いてくれるだろうか?
(まあ、無理だろうな。私はあの人に会ったことのある私じゃない。顔も違うだろうし、気が付いてくれないだろう)
それよりも今日は調査をしなければならない。気持ちを入れ替えるために散歩しようと、私は私服で宿から出た。
この太陽の出ていない、薄暗い時間帯が散歩にはちょうどいい。あまり人影もなく、自分の好きなように自由に歩くことができる。
しばらく歩いていると、前の方から人が歩いてくるのが見えた。こんな時間に珍しいと思い見てみると、自分の肩がビクッとするのが分かった。
夢で見た、脳の持ち主の私が会いたくてたまらない人だったのだ。