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obsidian is gently shines

第4章 like a mother



(ママ、か…)

リヴァイは出来立ての卵サンドを頬張る。

パンはふわふわ。
卵もふわふわ。

マヨネーズの控えめな酸味に、多目に入った黒胡椒がぴりりといいアクセントになっている。

(……悪くない)



やはり、早く出て正解だった。


思わぬ形で美味しいものに巡り会えた。

母になってなお、ナナバは変わらず自分と接してくれることを改めて知った。

そして…
セチアを待つ時間は、やはり心が踊る。


自分を見つけて駆け寄ってくる、その姿。
また待たせちゃったと謝る、その姿。
恥ずかしそうに手を繋いでくれる、その姿。

なんと可愛らしいことか。
そんなセチアに今日も会える。

どんな服を着てくる?
髪はどんな風に結ってくる?
今日も歩きやすいようにローヒールだろう、きっと。

そして、一番最初に見せてくれるのは…笑顔。

あぁ、そうだ。
笑うと垂れ目がほんの少しだけ強調されるんだ。

(ほんとうにそっくりだな)

きっと優しい母親に似て、娘も優しい"母親"になるだろう。
そしてその隣には…

(…ふ。先走り過ぎか?)

本当に、只考え待つだけなのに、こんなにも楽しいなんて。



リヴァイの口元が、優しく弧を描く。

(らしくない、か?)

だが…

(お前だって悪くはないだろ?なぁセチアよ)

そう、改めて思うリヴァイだった。





Fin




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