第1章 タイムスリップ⁈
中学生になって、はじめのテストで
私は一位を取った。
確かに、分からないところはなかった。
満点なんて一つも取れなかったけれど、一位になって。
初めて、自分を誇らしく思った。
得意になって、私は。
なんの考えもなく、それを友達に見せた。
ただ、すごいって言ってもらいたかった。
友達の反応は、望むものだったけれど、
私が一番をとったってことは、学年中に広まった。
そのせいで私は、頭がいい人、
という目で見られるようになった。
なんでも知ってるでしょ?
知らないことなんてないんでしょ?
私に何かを聞きに来る子はいつも、そんな目をしている。
違う小学校の子と仲良くなったと思っても、
話しかけてくるときは大抵、
ノートやワークを見せて欲しいってときだった。