第2章 俺だけを見て * 緑間真太郎
次の日の朝練。
『真太郎ー、お疲れ。』
「あぁ、ありがとう。」
真太郎がシュート練に戻っていったのを見計らって高尾君が私の元に駆け寄ってくる。
「あれ?なんかもう解決しちゃった感じ?」
『まぁ、そんな感じかな?』
「そっかー!よかったじゃん、これで真ちゃんと堂々とラブラブできるな!」
『そんなにしないけどね。』
やたらテンションの高い高尾君をあしらっていると、真太郎が近づいてきて高尾君の頭を掴む。
「いだだだだっ!ちょっと真ちゃん何すんの!?」
「うるさい。あまり一花に近づくな。」
「あらら?真ちゃーん、男の嫉妬は醜いぞー?」
「黙れ。」
「イッテー!!」
『あははは!』
「おい!お前ら練習しろ、轢くぞ!」
3人で戯れているといつも通り聞こえてくる宮地先輩の怒鳴り声。
今日も秀徳バスケ部は平和です。