• テキストサイズ

きつねづき

第7章 アナル


「うっ、う……」

さえりは泣いていた。

「痛かったか?」

光秀の質問に、首を横に振る。

「つらかったか?」

さえりは答えなかった。ただ涙を流していた。

「さえり……」

光秀はさえりの身体を起こし、そっと抱きしめた。さえりは光秀の胸に顔を埋め、少ししてから遠慮がちに抱きしめ返してきた。







翌日。

もう、来ないかもしれないな……

そう光秀が思っていた矢先。

「光秀さん、文を届けに来ました」

さえりが失礼します、と言いながら襖をあけた。

「来たのか」

「世話役の、仕事ですから」

頬を赤らめながらも答える。文など他者に頼んでも良かったはずだ。

「昨日は、ただビックリしたんだと思います。あの、だからその……時々、少しずつなら……」

俯きながらさえりが言った。きっと相当な勇気がいった事だろう。

「わかった」

光秀はポンポンとさえりの頭を暫く撫で続けていた。


/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp