第6章 向こう側
昼下がり。
さえりはいつもより早い時間に光秀の御殿に呼び出されていた。すでに裸にされ、紐で縛り上げられる。縛られているとはいえ、手足は自由だ。
これ、現代でいう亀甲縛りってやつかな……?
あまり詳しくは知らないが、確かそんな物が存在していたはずだ。まさか自分がされることになるとは。人生何が起こるかわからないものだ。
「今日はえらく落ち着いているな」
「そんなことないです」
ただの現実逃避です、と心のなかで思った。自分の想像にない事をされると、余計な事を考えててしまうものなのだと知った。
そうだとしても、恥ずかしい事に変わりはない。ましてや今は昼間。明るさがより辱しめる
「んんっ」
両乳首を摘ままれ、身体がピクリと反応する。直ぐに思考は停止し、快感を求めるようになる。
「それで良い」
光秀はそう言って、さえりの首筋に印をつけた。
「はあっ」
さえりから吐息が漏れた。前回殆ど触れてもらえなかったから、敏感になっているようだった。
「良い感じになってきたな」
さえりの反応に光秀は満足そうな笑みを浮かべる。
光秀の指がお腹を滑り降りていき、剃られた秘部に触れる。立ったまま足を軽く開かされ、秘豆を優しく撫でられる。乳首を口に含まれ舌先で転がされる。
「は……あんっ……んんっ……ああ……」
優しい愛撫はひたすら続き、立っているのが辛くなる。
「は、あぁ……光秀様、も、無理……」
さえりが光秀にすがるようにして足元へたりこんだ、その時。
「光秀様、時間です」
襖の外から、従者の声がした。
「わかった」
わかったって何……!
軽くパニックになるさえりをよそに、光秀はさえりを抱き上げ、隣の部屋の座布団にそっと下ろした。
張形を濡れた蜜壺に差し込み、身体を縛っている紐で軽く固定する。
そして部屋の仕切り代わりに大きな屏風を置いた。
「いいか、さえり。動くなよ」
「どういう事ですか!? 光秀様!」
光秀は唇に一本指をたて、静かに、と囁いた。
「声が出そうになったらこれを噛んでおけ」
手拭いを置いて、屏風の向こう側へと姿を消す。
どういう事なの……?
理由は直ぐにわかった。
「よう、光秀」
秀吉が訪ねて来たのだ。