第1章 序章
今宵は満月
「はあっ、あっ、ああっ」
――なんで、こんなことになったんだっけ……
途切れそうな意識のなか、ぼんやりと考える
快感が押し寄せてきて、考えがまとまらない
「ああっ、もう、イきそう……」
「さっきイったのに、もうイきそうなのか。淫乱だな」
低い声が耳元で囁く
「いいだろう、存分にイけ」
長い指が、身体の熱を掻き立てる
「んあっ、イく、はあっ、あああーーっ!」
「まだだ」
「えっ、もう、だめ、許して、許してください」
「光秀様ぁっ」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音と悲鳴にも似た甘美な声はその夜、空が白むまで響いていた……