第17章 誠凛のエース
私たちは、桐青に負け、残りの試合に力を発揮させることが出来なかった。
去年と同様、I・H出場は叶わず、決勝リーグで姿を消すことになった。
そして今、体育館ですでに練習を始めている。
『(皆、やっぱりあの試合が応えてる。)
リコ先輩、みんな…』
私は心配になって、思わずリコ先輩に話しかけていた。
先輩も同じことを考えてたみたいで、少しうつむいてしまう。
が、すぐに顔を上げ、大丈夫と言った。
リコ「あいつ……鉄平が帰ってくるわ。」
『…鉄平さん?』
初めて聞く名前だ。
きっとバスケ部関係者に違いないことはわかるけど、誰だろう…
そういろいろ考えていることがわかったのか、リコ先輩はクスッと笑って、
”木吉鉄平 うちのエースよ”
そう言って、集合をかけた。