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イケメン戦国〔瞳に魅せられて〕

第9章 姉と弟


「・・・・・・・」


最後に鍛錬所にやって来た謙信は
目の前で行われているのを見て入り口で立ち止まった


「おっ謙信やっと来たのか」


「これはどう言う事だ?」


そう言って信玄の横まで歩き目を向けた


「これはだな・・・・・」


『いい加減で諦めて降伏しなさい!!』


「姉さんこそ諦めて」


佐助が持っていた木刀は葉月に奪われ
佐助は防戦一方になっていた


『なんで姉のお願いが聞けないのよ!!』


「姉さんの場合はお願いじゃなくてあれは命令」


距離を取った佐助が懐からマキビシを投げ
それを着物の袖で薙ぎ払った葉月
そのマキビシが観戦していた幸村を襲った


「わっ!佐助お前マキビシ投げるなっ!」


「さすがに火薬系は投げないから問題ないよ幸村」


「問題ありまくりだっ!女相手に飛び道具使うな
ってかお前らの姉弟げんかに俺をまき込むな!!」


きゃんきゃん吠えながら幸村は転がったマキビシを
邪魔にならぬようにひとつ残らずきっちりと拾い集めていた


「幸が言うように姉弟げんかだ」


「・・・・・佐助さっさと負けて終わらせろ」


「分かりました
姉さんおれの負けです
好きなだけ使って構わないよ」


『本当!?ありがとう!!』


満面の笑みで木刀を投げ捨てる葉月は
謙信がいることに全く気付かずに
いそいそと鍛錬所を出ていった


「謙信様、文句などは受け付けませんので悪しからず」


幸村からマキビシを回収した佐助は
葉月の後姿を見ていた謙信に言葉をかけた


「どういう意味だ?」


「多分すぐわかると思います
ところで幸村」


「ん?なんだ佐助?」


「今から二日ほど城下町に避難しよう」


「そうだなそれが良い!
巻き添えくいたくねえからな!?」


「せっかくだ二日と言わずひと月くらいゆっくりしよう
そうだ足を延ばして安土の姫に会いに行こうか」


佐助の提案に即答した幸村
その横でにこにこと会話に割り込んでくる信玄


「いつもなら却下するところだが今回は採用!
ほらさっさと準備して行きますよ!!」


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