第7章 秘密と軍神
「ねぇ・・・・葉月さん
ちょっと付き合ってもらっていい?」
『うん良いよ』
紅葉狩りから数日がたったある日
広間で昼餉を食べ終えたタイミングで
佐助が葉月を呼び止め
二人で城下町へとくり出して行った
「葉月と佐助は仲が良いな」
"天女"と呼んでいた信玄だが
葉月に"その呼び方に返事はしません"と言われ
今ではちゃんと名前で呼ぶようになった
「二人で話してるのをよく見かける
ってなに俺の分食べてんですかアンタ!」
「残してたからだろ?
それよりもうかうかしてたら
佐助に取られるぞ謙信?」
「・・・・・」
そんな会話が広間でされていることを
二人は知らなかった
『それでもう出来上がったの?』
「うん。椿さんから預かって来たよ」
城下町に来た二人はあてもなく
ぶらぶらと歩きながら
会話を続けていた
『じゃあ城に帰ったら佐助の部屋に取りに行くね』
「なるべく人に見つからない様にね」
『りょーかい』
なんで見つからない様に?と
疑問に思うも口にはせずに葉月は了承した