第4章 友との再開
「なんだこの店は!
客にこんな物を喰わせるのか!?」
席に座り注文をして食べていると
隣で食べていた男性客が
いきなり声を荒げ店主に詰め寄った
「とても喰えたもんじゃねえよな~」
「ああ、こんなもんに代金なんか払えねえよな~」
「でもお客さん!
食べてるじゃないですか!!」
にやにやと笑っている男たちの机の上の
食事はほとんど食べ終わっている
「仕方なく喰ったんだよ!!
不味いもんは不味い
だから代金は払わねえよ!!」
「そんな・・・」
「なんだ文句があるならはっきり言ってみろよ!」
男が店主の胸ぐらを掴み突き飛ばした
『ご主人大丈夫ですか?』
「ありがとうお嬢さん」
『その料理が不味かったとしても
食べたら代金を払うのはいつの時代でも同じです
あと訂正しときますけどこの料理美味しいですよ?
これを不味いと言うなら貴方たちの舌に問題ありですね』
「「な!!」」
「お、お嬢さん」
葉月の言葉に激怒した男たちが
腰にさげた刀の柄に手を当てた
『か弱い女相手に刀を抜くつもり?』
「うるせえ!!」
店の中で刀を抜き剣先を突き付けてきた
『ホント言動だけでなく行動までも
男の風上にもおけない情けないやつ』
「なんだと!?」
「黙れ酒が不味くなる」
凛とした声が聞こえ
奥の席で酒を飲んでいた男性が
静かに立ち上がり此方に歩いてきた
「そんなに殺り合いたいなら
俺が相手をしてやるかかってこい」
「殺ってやるよ!!」
斬りかかってくる男たちを
刀を抜くこともなく簡単には倒した
「覚えてろよ!?」
「待て、代金を払っていけ」
慌てて代金を投げつけ店を飛び出していった
「店主騒がせた、また来る」
『待って!?』
代金を机に置き店を出ていく男性を追いかけ
葉月も店主に挨拶をして外に飛び出した
『助けてくれてありがとう』
「お前を助けた覚えはない」
チラリと振り返った男性だったが
すたすたと歩き去っていった
一瞬見えたオッドアイの瞳に
葉月の心の奥に小さな小さな火が付いた
『また会えるかな・・・・・』