第4章 友との再開
「椿様はいらっしゃいますか?」
「いるよ三成くん」
お針小部屋でみんなで着物を仕立てていると
三成くんが信長様が私を呼んでいると捜しにきた
「信長様が?」
「はい」
「椿様あとは私どもにお任せくださいませ」
今日中に作り終えようと思っていた着物があり
どうしようかと思案していると一緒に仕立てている
お針子さんがあとを引き受けてくれた
「すみませんがお願いします」
着物をお針子さんに預けお針子部屋を出た
三成くんの案内で信長様が待つ広間へと歩き出す
気を抜くとまだ迷う時がある安土城
夜などは月明かりを頼りに廊下を進まなくてはいけない
以前に夜のトイレ、厠に行きたくなった時など大変だった
「大事な話し合いがあるって言ってたけど終わったの?」
「いえ、まだ終わってはいないのですが
詳しことは信長様からお話があると思います」
「そうなんだ、分かった」
三成の笑顔につられて椿も笑顔になる
思い起こせば初めて会ったときから
三成くんはずっと笑顔だった
天然で少しぽやっとしているところがあり
家康をイラッとさせることがよくある
葉月ちゃんも苦手なタイプだろうなと
離ればなれになった友だちを思い出した