第3章 魔王信長の策略
「横に流して・・・射ち込め!」
家康さんに弓道を習いはじめて五日後
光秀さんに今度は政宗の御殿に連れられて
今度は剣術の練習をしている
最初は三成くんに教えてもらえはずだったが
本を読み始めると周りが見えなくなる傾向があり
時間を忘れるので政宗に変更になった
この時代にきて運動不足で最初の方は
筋肉痛に悩ませれていたが
徐々に体が慣れてきて今では寧ろ
動いていた方が体の調子が良いくらいだ
「葉月少し休憩するか
今日の茶菓子も旨いぞ」
汗を手拭いで拭き女中に淹れてもらったお茶で喉を潤した
今日の茶菓子のおともは磯部餅、これも政宗の手作り
相変わらずの美味しさで頬が緩んだ
『これも美味しい~』
「そうだろ旨いだろ
それにしても葉月は運動神経あるな
家康に聞いたが弓の腕も相当らしいな」
『運動は好きだよ
一番は弓道だけど剣術も少しだけかじったことあるの』
「へーお前良いな
光秀のとこじゃなく俺のとこに来いよ」
「残念だがそれは無理だな」
いつの間にかやって来た光秀が柱に凭れて立っていた
『あれ、光秀さん
もう帰る時間ですか?』
「ああ、明日は城に行かねばらならないからな」
「おっ遂にお披露目か?着飾って来いよ葉月」
帰り際に残った磯部餅を包んで持たせると
明日楽しみにしてるからな
と笑って頭を撫でてきた
光秀の御殿に帰り汗を流して
夕餉を食べ今日は早めに就寝をした
「おはようございます葉月様」
『おはよう』
翌日は早朝から慌ただしかって
朝餉を済ませると女中に取り囲まれ
着付けをされ髪を綺麗に結い上げて
うっすらと化粧を施し光秀とともに
安土城へとやって来たのだった