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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第7章 ホームズと、ワトソン?【工藤新一】


サッカーボールを器用に蹴りながら、相手チームの選手を何人も抜き去り走る姿がとにかくカッコよくて。
そこだけいつも光ってるように見えて。
ゴールを決めた後チームメイト達と笑い合う顔は、とびきり素敵で。
流れる大量の汗すら、爽やかに見えた。


工藤先輩のことだ。


同じ部の部員だったし、彼と話す機会は沢山あったけど、その度に心臓は高鳴り、緊張であがってしまって、いつも上手く喋れなくて。

校内ですれ違いざまに挨拶するだけでも、一瞬息が止まるような感覚に襲われ。

これは憧れなのか恋なのか、最初はよく分からなかったけど・・・他の異性とは全く違う何かを工藤先輩に感じていたことは事実で。
好きなんだろう、と今では自覚している。



先輩達が部活を引退し、卒業しても、それなりに学校生活は楽しくはあったけど、ほかの誰かを“好き”になる事はなく。工藤先輩を思い出してはため息をついていたような気がする。


でもようやくこの四月から私も高校生になり。
またこれから工藤先輩と同じ校舎に通えることになった。


噂で聞いた時は驚いたけど、今工藤先輩はサッカーを本当にしてないみたいで。
プロのスカウトマンが彼目当てに試合を見に来る程上手かったのに。勿体ない。

それに・・・それよりも、工藤先輩のサッカーしてる姿が見れないのは、個人的にもすごく残念だ。

彼のいないサッカー部でマネージャーをする気は、無いなぁ。
かと言って、他にしたい部活もない。





高校に登校して二日目のこと。

朝、下駄箱近くの廊下で、よく知った顔に声を掛けられた。


「おっ!じゃん!」

「あっ!おはようございます!お久しぶりです!」

「高校でもマネやるのかー?」


話し掛けてきたのは中道っていう、一つ年上の男の人。
中学時代のサッカー部の先輩で、工藤先輩とも仲の良かった人だ・・・
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