Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第38章 Top priority -最優先事項-【降谷零】
〈おまけのページ!〉
と降谷は都内から離れ温泉地へ向かう途中で、高速道路のサービスエリアで休憩することに。
車を下り、まずは二人並んでトイレの方向へ。
「終わったらソコのコンビニで待ってるな」
「うん!」
一旦別れてそれぞれ用を足す。
まずもっては女性であるし、慣れない和装とくればいつも以上に時間がかかる。
当然先にトイレから出てきた降谷は、先程指差したコンビニへ入り、窓際の雑誌コーナーで適当な雑誌を手に取り読み始めた。
数分遅れてがトイレから出てきた。コンビニへ向かうべく足を進めると…異様な光景が彼女の目に止まる。
何やらコンビニの店内に熱い視線を送る女子の集団……嫌な予感がの脳裏を過ぎった瞬間、その視線の先にいるのが自分の恋人であると気付く。
(零はたしかにカッコイイ、しかも目立つタイプ。今日は浴衣だから尚更目立つのかも……あの子達に私がツレだって知れたら睨まれるだろうなぁ…)
が一人悶々としていると、彼女に気付いたらしい降谷がとびきりの笑顔でへ片手を上げ、ヒラヒラと振る。その瞬間、黄色い悲鳴と共に視線が降谷からへと流れた。
の姿を認識した女子達の表情は一変して冷めたものへ変わる。は突き刺さる視線を極力気にしないよう努め、コンビニの店内に入った。
二人はペットボトル飲料を1本買い、車へ戻る。その間終始、の腰には降谷の腕が回されたままだった。
「零ってやっぱりモテるね」
「…僕が?」
「気付いてたでしょー?コンビニの外にいた女子の集団の目がハートになってた…」
「それを言うならもだ……ほら、あそこのアイツら…ずっとのことやらしい目で見てたぞ、気を付けろよ」
「気を付けろって言われても…」
降谷が分かりやすい笑顔でへ手を振ったのも、終始彼女の腰に腕を回していたのも、全てはに集まる視線の主を牽制する為であることは言わずもがなだ……
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