Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第32章 POP HIS CHERRY【降谷零の場合】
〜日本 東京〜 降谷零 24歳
警察学校を卒業して、所謂公安組織に配属されてしばらくが経ち。
先日上官から妙な(人権侵害に近い)アンケートの回答を求められ、正直に書いた。
その件で僕は今、上官の部屋に呼び出されている。
上官「降谷…お前、女性経験がないのか?その容姿で」
降谷「無い訳ではないんですが…そのアンケートの質問に厳密に回答するとしたら、“NO”ですね」
“その質問”とは、“セックスの経験があるか否か”だ。
上官「恋人はいないのか」
降谷「おりません」
上官「分かった……出て来い、」
「はい、失礼します」
聞き覚えのある苗字、聞き覚えのある声…部屋の奥から出てきたのは…
降谷「っ…?」
「久しぶり…零くん」
同期のだった。今は警視庁の公安部にいるはず。どうして彼女がここに……
上官「には先に話を通してある……降谷、彼女に男にしてもらえ」
降谷「…は?どういう事ですか…」
上官「これから降谷には極秘の潜入捜査の任務も入ることになるだろう…その場合女性経験の無さは命取りになる。だから念の為事前アンケートを取って確認してだな…」
降谷「だからってそれは…」
上官「が不服なら風俗にでも世話になってこい」
降谷「別に不服という訳では……僕は、」
上官「では決まりだな、頼んだぞ、」
「承知しました…」
降谷「ま、待ってください!」
呼びかけも虚しく、上官は部屋を出ていき、部屋には僕とだけが残された。
「零くん…元気だった…?」
「ああ…」
「っていうか…零くんって童貞だったの?彼女いたって言ってたよね?」
「ああ、嘘はついてない。それよりは……なんでこんなくだらない指令受けたんだよ…」
「…仕事だから?でも捜査官が潜った先で異性の悪人に籠絡されたら大問題でしょ……言ってる意味は、分かるよね?」
「…分かるけど、僕は大丈夫だ」
「メチャクチャ気持ちいいことされたら夢中になっちゃうかもよ?」
「ならない」
「童貞の癖に」
「……僕はこの指令、避けられないのか?」
「仕事だからね」
なんで、何故、どうして、こんな事になった……