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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第30章 ときめきを貴方と【沖矢昴】


ズルズルと浴室の床に座り込んでしまったさんをなんとか立たせ、もう一度簡単にお湯を浴びせて…自分もサッと身体を流してシャワーを止める。

適当にタオルで身体を拭き、裸のままの彼女を抱き上げ寝室へ向かう。

ベッドに横たわらせて上に跨り顔を覗き込めば…まださんの瞳はとろんとしていて…焦点も合っていなさそう…

唇を合わせ舌を滑り込ませても、弱々しく舌先が絡んでくるだけ…それもまた可愛らしいのだが。


「んぅ…す、ばる、さん…」


唇を離すと、虚ろな顔の彼女から途切れ途切れに発せられた自分の名前…それが妙に腰にきて、更に自分の下半身が疼く。もういつでも挿入出来るくらいの硬度はあるだろう。

先程はさんからの襲撃を欲に負けて躱せなかったが…今はそのおかげで随分余裕もある。


リビングに比べれば暗いが、それでも割と明るい部屋の中…綺麗な身体を眺めて…身体の線をゆっくりとなぞり…自分の身体を倒し、彼女の耳元に唇を寄せる。


「さん…」

「ん…っ」

「愛してます……もう僕から…離れないでください…」

「…っ!い、一度も、離れたことなんて…ないです…」


キュッと細い腕が背中に回され、抱きつかれる。嬉しさと可愛さが余って思わず顔面の筋肉が緩む。

もう一度その可愛い唇に口付けて、指先で耳をくすぐりながら口内をくまなく貪る。小さな歯、小さな舌…柔らかな頬の内側に…時折上がるくぐもった小さな声…そのどれもが愛おしくて、胸を熱くさせる…


「これからもずっと…約束ですよ…」

「…は、い…」


チュ、と軽く唇を吸って離して。さんの身体中、至る所にキスを落としていく。

額も頬も鼻の先も…耳から首すじ、細い鎖骨には舌を這わせて、華奢な肩には噛み付くように…

小さな指先はもちろん、肘の内側から二の腕の裏も…

次第に彼女から漏れる吐息も色を含んだものに変わり…意識しているのか判別は付かないが、身体が捩れ出した。


最近は“事に至る”となっても……互いに暇ではない身、比較的早くベッドに入れた夜に、それでも翌日のことも考えてあまり時間は掛けずに終わらせることが殆どだった。

それがお互いの為だとすら思っていたが…

今日のこの状況に堪らなく興奮している自分がいる。おそらく彼女もそうだろう……
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