Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第28章 手作りスイーツに下心【安室透】
何とも言い難い心地良い脱力感に襲われ、下半身は繋げたままさんにピッタリと覆い被さる。重なる熱い肌と肌が信じられないくらい気持ちがいい。
「さん…好きです…」
「っ!?、あ…あの…はい…っ」
思わず漏れてしまった言葉に(もちろん本音だ)、後々我ながら恥ずかしさが込み上げてきて頬が熱くなってきたのを感じる。とてもじゃないけど今は顔を上げられない。彼女の首元に顔を埋めたまま、大きな息を繰り返す身体を抱き締める。
しばらく何も言えず…たださんの息遣いと鼓動を聞いていた。
「安室さん……わたしも…好き、だと思います……」
「……“だと思う”っていうのは?」
“だと思う”とは何だ。思わず頭を上げ、さんの顔を覗き込む。
バッチリ目が合ったのも束の間、恥ずかしそうに視線は反らされる。
…ああ…可愛い。
「…今日は、いろいろ、ありすぎたから……元々、安室さんのこと、素敵だなっては…思ってたんですよ…?」
「うん…それで?」
「道で、助けてくれたとき…すっごくカッコよかったし…それで…好きになっちゃったかも、とは思って、たんです…」
「それなら“好き”ってことでいいのでは?」
「……そ、そうですね」
「ちゃんとコッチを見てください…」
「…ぅ……っ」
瞳が素早くアチコチ動き回り…ようやく僕の方を見上げてきた。すかさず唇を合わせて、幸せな感触をじっくり、何度も味わう。
唇を合わせる度に恥ずかしそうに笑う彼女を見ている内に、落ち着いていた筈の欲望に再び火が付き始めた。
埋めたままだった僕の大きさが増したのにさんも気付いたか、彼女の身体に力が入ったように感じる。
「さん、どうします?そろそろ夕飯の時間ですよね……ごはんにします?それとも…コッチの方がいいかな…」
「っぁ、え…っと……」
END
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