Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】
「あ……」
目の前の鏡にシャワーを済ませたらしい真田さんが映り込んだ。
どんどんこっちに近付いてくる彼は、上半身には何も身に着けていなくて……直接見えてる訳でもないのに、咄嗟に目を逸らしてドライヤーを切った。
「もう乾いた?」
「はい……」
「綺麗な髪……」
真後ろに立たれて、髪にスルスルと指が通される。髪には神経なんて無いのに、なんで触れられるだけでこんなにドキドキするんだろう。
俯いて鏡すら視界から外していたら、後ろから腕が回ってきて抱き締められた……肌と肌の間にはTシャツの布地一枚のみ。真田さんがすごく近い。
「じゃ、あっち行こうか……」
「……っ!?え!!重いですからっ!」
「全然。軽いよ、もっと重くてもいいくらい」
身体を抱き上げられてしまった。所謂“お姫さまだっこ”だ。一度はされてみたいなんて願望はあったけど……実際にされると申し訳ないやら恥ずかしいやらで頭の中がゴチャゴチャになる……
「うそ!やっ!降ろして!」
「うん、今降ろす」
寝室らしき部屋に入って、ベッドの上に身体を横たえられるなり、真田さんがすぐに上に覆い被さってくる。構える間もなく唇が合わさって、何度も角度を変えては重なる。
唇も、合間に漏れる吐息も熱くて……今までのキスとは全く別物。
「ちゃん……本当に、いいんだな?」
「う、ん……私ね、真田さんに触れてみたかったんです……今日メイクさんが普通に真田さんに触ってるのが羨ましくって……」
頷いて、真田さんの頬に手を伸ばしてみる。
……スベスベしてて綺麗だ。
「そんなの、いくらでも触ればいいのに」
「だって……」
また顔が近付いてきて、今度は鼻の先だったり、頬にも、こめかみにも、耳にも口付けられて、くすぐったいような心地良さに小さく声が上がる……
もう一度唇が合わされば、隙間から舌が入り込んできて、口内の深い所まで舐め回される。舌と舌を絡ませていく内に、どんどん頭の中が蕩けていってぼーっとしてくる……
キスってこんなに気持ちいいんだ……
真田さんが上手だからなのか、大人だからなのか……分からないけど……ずっとこのままでいたいくらい、好き。