Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第23章 It's SHOW TIME!【黒羽快斗ルート】
電車を降り、夕方待ち合わせた駅まで戻ってきた。来たときとは違って辺りはすっかり夜の景色、人通りも少なくて静か。
快斗が「暗いし送る」って言ってくれたことにちょっと妙な胸騒ぎを感じつつ、並んで歩く。(快斗は私の事女の子だと思ってくれてるみたいだ)
こんな時間に快斗と二人きりって、そう言えば初めてかな。
スタスタと歩く内に、あっという間に私の家の近く。
「いやーしかし……よかった。が真田さんのアシスタント断ってくれて」
「えー?そんなに私にアシスタントしてほしかったの?」
「……そーだな……さっきはもしかして真田さんにを取られんじゃねーかって。焦ったぜー」
「……そう?」
「だっておめー、真田さん好きだろ?」
「うん、好き」
「だから……マジで好きになられたら困るんだよ」
「……ふーん……?」
変なの。私は真田さんの大ファンだ。好きに決まってるじゃないか。何を今更。
「分かんねー?俺、のこと好きなの」
「……ん?」
もうすぐ家の前って所で、急に快斗が歩くのを止めたから、私もつられて立ち止まる。
快斗を見れば、なんかいつもと顔付きが違う?……っていうか今、私もしかして快斗に告白された!?
「だからな、真田さんには……」
「快斗……なに、急に……」
「急じゃねーって。ずっと好きだった」
「え……?……全然、知らなかったよ……」
「だろーな。俺が学校でマジック披露してんのも、舞台デビューを急いでんのも、ぜーんぶお前の為なんだぜ?」
「なんで……私の為?」
「そりゃー……オメーが真田さん真田さんってうるせぇから……俺も早く一人前になって舞台に立てばそれなりに見てもらえると思ってだな……」
声のトーンからして、冗談ではないんだろう。
でも、本当に、全っ然、知らなかった。
「……なんか、ありがとう……でも私真田さんのことは恋愛の相手としては」
「分かんねーじゃねーか、毎日一緒にいたら」
「ないない……それに私なんてまだ子どもだし」
「俺にとってはすっげー魅力的な女だけどな」
いつの間にか目の前に迫ってきていた快斗にガシッと両肩を掴まれた。真っ直ぐこっちを見てくる視線に耐えられなくなって、斜め下を向く……
これって私、何か返事しないといけない流れ……?