Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第22章 It's SHOW TIME!【快斗/真田共通ルート】
どんどん順番は私達の方に近付いてきて、ついにテーブルに彼が来た。
こんな近くで、しかも、言葉を交わせるだなんて……嬉しさからか緊張からか、さっきから手が震えてる。
「快斗も、君も、今日はありがとう。どうだったかな?」
「いやー、真田さんが人気あるのも納得っすよ。スゲー勉強になりました」
「さ、さ、さ……最高でした!ありがとうございました!」
「うんうん……じゃ、後で楽屋でな」
「ういっす」
「はいっ……!?」
真田さんは素敵なスマイルを残して、またステージに戻っていく。
っていうか、喋れただけでも心臓が爆発して頭が混乱しそうだったのに、“後で楽屋で”とはどういう事だ……!?
「か、快斗……?もしかして……楽屋にお邪魔できるの?」
「ああ。行きてーだろ?」
「ももも、もちろん……」
そんなことって有り得るのか。
もしや私、今日死ぬんじゃないか……
「快斗が友達でよかったよ、ほんとに……」
「お、おう……」
またステージに上がった真田さんはお別れの挨拶をして、その場からパッと姿を消していなくなり。しばらく止まない拍手の中、ショーは閉演した。
次第にお客さん達が帰っていく。
だけど快斗が一向に席を立とうとしないから、私もその場にそのまま残る……
そして私達が最後の一組になった。
「ちょーっとココで待ってろよ?」
「うん?」
快斗が立ち上がり、会場内をフラフラと歩いて……何かを後ろ手に隠しながらテーブルに戻ってきた。
「何か隠してる?」
「んー……多分が今欲しがってるもんかな」
「……何?」
「やるよ、コレ。上出来だろ?」
快斗が身体の後ろからガサガサと出してきたのは花束だった。会場内の花やら何やらを寄せ集めて作ったのか。
とりあえず、受け取る。
「手ぶらも申し訳無いけど、ココにあったのをあげるってもっと酷くない?」
「バレねーって。おめーが渡さねんだったら俺が渡すけど」
「む……」
手元の花に視線を落とす。確かに、とても今ここで作ったとは思えない、ちゃんとした花束。
……よし、渡そう。