Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第1章 月夜に現れた紳士は【キッド/快斗】
行為後しばらくして、快斗くんがベッドから出ていくと、尋ねられる。
「なー、電気付けるよ?」
「うん」
彼は部屋の照明を付けて、ベッドに戻ってくる。
今更明るいところで裸をさらすことになり、思わず布団で身体を隠す。
それはすぐに捲られてしまうんだけど。
「・・・やっぱ綺麗。ちゃんのカラダ、めちゃくちゃいい」
乳房を触りながら身体を寄せてきた。
「明日、休みだろ?」
「そうだよ」
「泊まってってもいい?」
「いいけど?」
「じゃー、もう1回・・・」
「そ、れは・・・ちょっと・・・休みたいかも」
「えーっ?・・・いいけど、このままなー」
ギュッと身体を抱き締められて、おでこやまぶたにキスをされる。
なにも意識してない今こうされると、くすぐったい。
「もーちゃんは・・・俺のもんだからな。まっちゃんになんか絶対渡さねー」
「そうそれ!なんで先生のこと知ってたの」
「俺怪盗だから・・・狙った獲物の下調べは入念に・・・」
彼に私は何か良からぬことをされたのか。
盗聴?跡をつけたとか?
「ちゃん顔こえーよ・・・かわいー顔に戻って?な?頼む!」
快斗くんが上目遣いで甘えてくる。
ああ私、彼のこと好きなのかもしれない、と思う。
全て許してしまいそうになる。
でもこのまま、快斗くんと一緒にいてもいいものか。
キッドだし。おまけにまだ高校生だし。
いろんな迷いが交差しては消えていくけど・・・
考えたところで行き着く答えは決まっていたりする。
初めて会ったあの夜から、この彼に心は奪われてしまっているのだ。
END