Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第17章 ふたりの蜜月*後編【赤井秀一】
子供のことは、アメリカに戻ってから一度きちんと秀一さんと話そう、と心に決め。
シャワーを浴びて、まだ陽は高いけれどお腹は空いたし、早めの夕食を食べに施設内のレストランまで二人でやってきた。
ここは、好きなものを自分で取って食べるビュッフェ形式だ。
大きなお皿を片手に、美味しそうな料理がズラリと並ぶテーブルを眺め、一人品定めをする……
あれも食べたいな、あれも美味しそう……あれは何だろう?
すると、料理の乗ったテーブルとさほど身長が変わらないくらいの小さな男の子がすぐ近くに寄ってきた。
その子はしばらくテーブルの上を見ていたけど……突然「ママ、あれが食べたいー(英語)」と、どうもわたしに向かって言ってきたのだ。
「わたしはママじゃないよ、あなたのママはどこだろう?(英語)」と屈んでその子に話しかけると、その子の表情はハッと変わって辺りをキョロキョロ見回し出した。
すぐにママは見つかったようで。その女性の元へ走っていき、こちらを指差して何やら喋っている。
多分、わたしがママと似たような服を着てるから間違えられたんだろう。
そのママと目が合い、ニッコリ笑顔を交わし合う。
「……知り合いか?」
直後、後ろから秀一さんが不思議そうに声を掛けてきた。
「いいえ。わたし、さっきあの男の子にママと間違えられちゃったんです」
「ほう……」
「可愛かったなぁ……」
「そうか……」