Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第14章 一日頑張った貴女へ。【安室透】
ティッシュで口の周りを拭かれるのが、なんとも情けないやら恥ずかしいやら……泣きたくなってくる。
「今度は、溢すなよ?」
「うん……っ」
ゆっくりと唇が合わさって、隙間から少しずつ水を受け入れる。コク、コク、と全てを飲み込んだものの、未だに唇は離れないまま……今度は安室さんの舌が入り込んできた。
冷たいような温かいような舌が絡まり……次第に蕩けるような熱を帯びてくる。
その熱が冷めることはなく……再び私達は身体を重ねていく。
再び行為が終わる頃には、成程、もう今日のストレスなんて何処へやらだ。何も悩むことなくグッスリ眠りに就けそう。
「安室さん……」
「どうした?」
「ううん、なんでもないんだけどね……」
「明日の朝ごはんなら、僕が用意するから。ゆっくり寝ればいいぞ」
「え……いいの……?」
「ああ」
おでこにひとつキスをされた。
隣に寝そべり、背中を撫でてくる彼の手は、優しくて、すっごく落ち着く。こんな風に一日の終わりを迎えられるのって幸せだなんだろう。
「おやすみ、」
「おやすみ」
彼の身体に擦り寄り、何度もキスを交わして、目を閉じた。
END