Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第12章 助けて!お巡りさん!【諸伏景光】
お互い風呂を済ませ、家にあったもので朝食らしきものを二人でなんとか作り。食卓とはちょっと言い難いテーブルでと並んで食べる。
俺のブカブカの部屋着を着てる彼女も、料理をする彼女の後ろ姿にも・・・何度も触れたくなったけど我慢した。
昨日あれだけ身体を重ねたのに、今もこんなに触れたいと思うのは・・・やっぱり惚れてるから、なのか。
「なあ、はよく東京来るのか?」
「東京は今回で五回目?くらいなんだけど・・・」
「けど?」
「昨日もつい言いそびれてたんだけどね、私春から東京に引っ越すの」
「っ!嘘だろ!?」
味噌汁を吹き出しそうになる。が、春から東京に来るって・・・?
「そんな嘘つかないよー」
「じゃあ、また会えるのか」
「その・・・会おうと思えば、ね」
「は、どうしたい?」
なんかズルい聞き方をしてしまっているのは分かってる。でも、気になる。はどう思ってるのか。
彼女は少し俯きながら、箸を置いた。数秒後、身体がこっちを向く。俺もつられて箸を置き、彼女の方を向く。
「わたしは、出来ればまた会いたい、かな・・・ヒロくんは?」
「そうかよかったー・・・」
気付いたら間抜けな声を出しての身体を抱き締めていた。「ちょっと」とか「苦しいよ・・・」とか言われてもまだ離さない。
「俺・・・とまた会えるなんて思ってなかったからさ、こんな風に思ったって辛くなるだけだって、ずっと抑えてた。でもやっぱりが好きだ・・・俺達、ちゃんと付き合わないか?今更だけど・・・」
「・・・ほんと今更だよね」
「で・・・どうですか?」
「・・・うん、お願いします」
「・・・ー」
腕の力を緩め、すぐさま唇を重ねる。味噌汁の味がする。俺もだろうけど。
身体中に何かポカポカ温かいモノが流れている・・・嬉しすぎてどうにかなってしまいそうだ。
散々キスを繰り返して、今更俺の電話番号をに教えて。
その頃には洗濯物も乾いた。
食事を済ませ身支度を整えて、空港までを送り、何度もまたキスをして、別れた。
こんなことって、あるんだな。
再び家へ戻る俺の足取りは驚く程軽い。
END