第7章 天城家の娘として…
それから15分程たっただろうか、
手足の震えが止まらない。
とうとう、左手に持っていた長財布より少し大きめのカバンさえ落としてしまった。
『すー…はーぁ……大丈夫、平気…落ち着けあたし』
自分を落ち着かせるように自分自身に問いかける。
こんな事になるとは思いもしなかった…
自分が………
情けないや…
ガクガクなっている足は履いているパンプスのヒールによってバランスを崩し、体が真後ろに傾く。
『(やば…)っ!』
1人になるんじゃなかった…
もう高校入学したし、大丈夫だと思ったんだがな…
『(やっぱだめだな…あたし)』倒れるっ!
倒れるのが分かっているのに、手足が震えて何も出来ない私は目をギュッと強く瞑った。
ぽすっ…
『(痛く……ない?)』