Eve innocence 【D.gray-man】
第2章 始まりの場所
――次の日の早朝――
イブはもう動かすことも辛い身体を頑張って起こし
イブが昔から持っているネックレスについている
ペアリングを外し、片方を赤腕の首に掛けて
コジモ達に見えない様にしまった。
「これで…もう……寂しく…ないね…。」
【この指輪だけが、私たちをもう一度引き合わせてくれるはず。そのためにも私が生き残らなくちゃ。】
そうして、またイブは眠りについた。
その3時間後、コジモ達はやってきた。
「おい!!赤腕!そろそろ時間だ!!早く出ろ!!」
「ッ!!イブ!イブ!!待ってろ!必ず約束は果たすから!!」
そうコジモに引きずられながら叫ぶとイブは薄ら笑った。
「こいつ何言ってるんだ?約束?こいつに約束しても二度と会えねぇのによ。あばよ!イブ!捨ててこいお前ら!」
「りょーかいーコジモ団長ー。」
そう言われてイブはコジモの部下に布で巻かれて
担がれて消えてしまった……。
その光景を赤腕は、血が出るぐらい拳を握しめてコジモを睨みつけていた。
その夜、何キロも進みどこの街に着ているのか分からなくなってしまった。やる気なく風呂に入ろうとすると首に指輪のネックレスが付いているのに気がついて、よく見ると文字が途切れており、ペアリングであることを知った。
【きっとイブだ。これを持っていれば君を探しに行ける。待っててくれよ。】
赤腕はそう決心して、リングを握りしめた。