Eve innocence 【D.gray-man】
第2章 始まりの場所
(ヒューヒュー)
弱くあと少しで止まりそうな呼吸の音が
イブから聞こえた。
「イブ………。ごめん………。」
(サラッ)
目にかかった髪の毛をよけると
イブが少し目を開けてこちらを見た。
「あ……か…うで?ど…した…の?」
今にも折れそうな手を俺に差し伸べてくる。
そして、気づかないうちに頬を伝っていた
涙をイブが拭っていた。
「俺が…お前をここから出すつもりだったんだ……なのに!!!」
(ギュッ)
赤腕はイブを抱きしめた。
「コジモのやつに計画がバレてたみたいで俺も捕まっちまったんだ!!!これじゃ君と一緒に幸せに暮らせない!!俺にもっと力があれば…ッ…」
そんな赤腕の言葉を聞いてイブは途切れ途切れに
「だい…じょうぶ…よ。あかうで…は、…きっと助けて……くれるから。まっ……てるね。(ニコッ)」
「イブは強いな。分かった、いつか必ず助けに行くから待っててくれ。」
今にも壊れてしまいそうなイブに赤腕は渾身の笑みを向けて答えた。イブをこれ以上不安にさせないために……
そうして、赤腕はイブに口付けて2人は身を寄せ合いながら
夜を過ごした。