第5章 彼女はファンに愛される。
サイン会、彼女は1人、ぼーっとしていると、時間開始の音楽がなった。
沢山のファンが彼女が怖がらないよう配慮している。
「サユ〜!!サイン下さい!」
「あ!、この前も来てくれた方ですね!」
「え!?覚えててくれたの?」
「はい!ミヨンオンニですよね?覚えてますよ!」
「そう!嬉しい!私、ずっとサユを愛するからね!」
「サランヘヨ……ミヨンオンニ」
彼女は10歳とは思えないくらい確りしていて、綺麗であり、
男顔負けのイケメンな性格も彼女の魅力だ。
でも、ファンは彼女の為に必要最低限しか触れない。
彼女が苦手な事はしない、それが彼女のファンのルールである。
手を振り返し、彼女は最後までファンを見送ると、
今度は同い年位の少年が目の前にやって来た。
「…はじめましてですね?」
「はい……あのっ……当たったから、」
「うふふ、そうですね!じゃないと来れませんからね!」
「俺…ずっと、ファンであの動画がでたあの日から……大好きな君のファンで……でも、俺、君みたいな歌手を目指してるから…」
少年の夢は歌手だった…彼女と同じような人見知りであるのだろう。
不安そうにキヨロキヨロしている。
そんな彼に彼女はサインを書くと手を握る。
「素敵な声、してます……だから歌手になるなら、きっと素敵な歌手になれますね」
「ねぇ…そしたら、1番、貴女に見てもらいたいです。」
少年の言葉に彼女は笑う。
「うん!楽しみにしてます!あの!貴方のお名前は?」
「ジョングク……チョン・ジョングクです……」
「ジョングクさんですね!覚えました。じゃあ!また、会いましょう!」