第21章 ユリンの見た彼等の愛
君のモンスター
ユリンは個人撮影を終えると、ナムジュンとサユを呼んだ。
そういよいよ、カップリング撮影が始まるのだ。
それと同じくして、ユリンの無茶ぶりが始まる。
「じゃあ!あえて、テーマはないけど、強いて言うなら、愛かしら?」
ユリンのフワフワしたテーマに
2人は苦笑いを浮かべたが、ユリンの熱は止まらない。
「とりあえず、なんか、萌えるポーズをお願いするわ!!」
「ユリンオンニ!?…無茶すぎじゃないですか?」
「大丈夫よ!サユ!貴方は普通で、!」
「え?」
まぁ、この話を聞くあたり
きっと、この撮影は彼女と俺等の関係を確かめるためなのだろう
とナムジュンは思う。
でも、彼はあの日から、彼女がナムジュンの前に現れた日からナムジュンは、
ずっと彼女を護る怪物であろうと思っていた。
彼女は誰に対しても怒らなくて、
責めなくて、
でも、周りは彼女を責めるし、意味もない理由で傷つけた。
今、そんな彼女の隣にナムジュンは立っている。
立ちたかったこの場所は実に狭く小さく感じて、
顔を紅くしながら、ユリンの話を聞いている彼女を見て、
ナムジュンは笑う。
彼女を護る為、彼女の傍にいる為には、きっと、今日のような撮影をして、
彼女が叩かれてしまう日が来るかもしれない……
そんな時だって、俺達が彼女を護る。
何があってもそばにいたい。
ナムジュンは彼女に感謝している。
彼女がいたから、頑張れた。
応援してくれて、始めて曲をもらって、
ダンスも教えてくれた。
そして、共にデビューする事を選んでくれて、
ユリンの指示はない………けど、シャッターがなる直前、
ナムジュンは戸惑っている彼女を抱き寄せた。
俺は彼女や皆を支えてあげるリーダーになるよ。
「っ…ナムオッパ?」
そして、沢山の意味を込め、彼女のおでこにキスをした。
「………これからも一緒だよ……」