第1章 オレ ダケヲ 見テヨ。
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「ネエ、ちゃんと俺だけを見てヨ?」
答えられないから必死に頷く。
それを見た彼は優しく笑った。
もう何もかも限界だった。
「まだへばられちゃ困るんだけど?」
最後に覚えているのは、そう言って
前髪をかき上げた彼の姿だった。
———今は何時だろう。
そう思って目覚めたら、隣には
満足そうに眠っている彼はがいた。
最近は最後まで彼との行為を
覚えていない。
寝ている顔は、凄く可愛い。
してる最中もこれならいいのに。
私も寝よう。
彼のたまたまとは思えない、空いている
胸元にダイブして目を閉じた。
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