第2章 独占欲。
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「つ〜とむ!」
ガバっと覚くんが五色くんの肩を抱く。
五色くんはびっくりした様で変な声が出た。
「寝るフリするならもっと上手くしなくちゃ。
おかげでゆあちゃんの事
そんなにいじめられなかったじゃないの」
「え…っ、あ、すみません!!!!」
彼は五色くんが起きていたのを知っていて
あんな言葉を掛けたのだ。
五色くんはいてもたってもいられなかったのか
走って逃げて行ってしまった。
流石、と思うと同時に悔しくなる。
あの言葉に踊らされていた。
そんな覚くんはこちらを見た。
「俺のだって見せびらかしたいから
ゆあちゃんが良ければ全員公開でもOKなんだけどナ」
「……勘弁してください」
「アハハ、嘘だよ!ゆあちゃんの事
大好きだから嫌がる事はしないヨ、多分」
「多分か…」
「でもさ、ゆあちゃん気持ちよかったでしょ?」
全て見透かすような眼で見てくる。
流石、叶わない…
もう皆身支度を終えた様で、終わってない人を
待っている雰囲気だった。
私は彼と共に帰る準備を始めた。
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