【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第3章 むぅぅぅ…
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ…
いつも以上に雅の仕事スピードは上がっている。そう、イライラしたりすると、異様な集中力が生み出されるのだった。
「あの、成瀬さん…これ『置いといて?』…はい」
そう。後輩の仕事の内容を確認することもないまま引き受ける。1つ1つ、確実にこなしていく。ただでさえ処理能力がケタ外れにずば抜けているにも関わらず更に上を行くのだ。
(な…なんか成瀬、荒れてないか?)
(確かに。…成瀬があれだけ荒れるのは…)
(原因は1つだろうけど。)
(でもまだ来てないよな?今日、降谷さん。)
そう回りは話している。そう、雅の苛立ち=降谷がなぜか直結しているのだ。そんな時だ。
「あ、おはようございます。」
「おはよう。」
「あの、これって…」
「後で処理する」
その声を聞いた瞬間に雅の手はピタリと止まった。まるで充電が切れたロボットのように全く動かなかった。しかしはっと我に返った雅は再開する。
「…降谷さん降谷さんって…みんなして…一体なんなのよ…」
「何か呼んだか?」
「…!!!呼んでません!!」
席を立った雅は俯いたまま部屋を出ようとする。
「成瀬?」
「トイレです!!!」
子供じみたようにぷいっとして部屋を出ていく。そんな雅を見つめながら降谷は髪をクシャリと掻き上げていた。クスクス笑いながらもその場に居た何人かは部屋を出て現場に向かうものの、そこに残る物居たが、思っている事は同じだった。
「何で成瀬はあの解りやすい降谷さんのアピールに気付かないんだろう…」
「…でも、降谷さんの気持ち気付いて無いのって…成瀬だけじゃねぇか?」
「てか、そこ、降谷さん的にも俺ら的にも1番解ってほしいとこだし…」
「やっぱり、仕事溜まって、からの苛立ってる時の成瀬の処理量ハンパねぇ…」
そうなのだ。風見を始め、雅以外と言っても過言では無い位に、降谷の想いは周りにバレバレだったのだ。それでも降谷に対しての憧れを抱く女性も少なくなかった。