第12章 キツネアザミと矛盾の芽
勝った者は、次のゲーム中リアを膝に乗せてプレイ出来る。
このルールにより、先程から参加者という名の変態共の膝上を巡ってらっしゃるリア様であるが、ポーカーというゲーム自体では楽しめきれなさそうだったのもあり、意外とはしゃいでいるようで安心した。
「ふはははは!私が一位だ!!」
『ばいばい連勝』
「行かないでリアちゃん、もうちょっとだけ」
『…………い、行かないでほしいの?』
ルールだぞと野次が飛ばされる中、ちらりと次の勝者こと蜻蛉の顔を見やり、もじもじし始める。
「ほら〜リアちゃん怖がっちゃってるじゃん!ちょっと蜻蛉さん〜??」
「む?私のせいか」
「あんた毎回そうやってるからリアちゃん泣かせてるんでしょうが」
「ふむ。……リアちゃん、私の膝におい____」
言い切る前に、座りにきたらしい。
そうだよなあ、そうしたかったよな。
『……座り心地悪い』
「すまんな、膝に誰かを乗せることなどなかったゆえ」
『!そうな「お待たせしました皆さん、まだお時間よろしいですか?」!?』
と、デレかけたところで修羅場の気配。
少し遅れてこの場にやってきた御狐神によって、可愛い可愛いリアちゃん様の瞳が奪われることとなる。
うわ、めちゃくちゃ構われたそう、物凄い呼ばれたそう。
「おお、お疲れさんミケ」
「そうたん来れたんだ、嬉し〜♡」
「こんな時間に皆さんお元気で……」
和やかな雰囲気は一転。
リアを見つけるなりずんずんと歩いていき、蜻蛉から引き剥がすように抱き上げた。
「リア、危ないですよそんなところにいては。僕のところにいましょうね」
『お兄ちゃん……!!♡』
あーあー、変化しちまった。
ほんっと分かりやすいなこいつ、これでそんなに嬉しいとは。
「む、双熾。私のリアを返してもらおうか」
『カゲ様のリア……?♡』
取り合われて嬉しそうなのは可愛らしいが、違うよなあリアちゃん?
「違うなあ?戻っといでリアちゃん」
『!!!中也さん♡♡♡』
あ、と御狐神が声をもらした頃には俺のところでごろごろと甘えていらっしゃる。
『中也さんリアのこと呼んでくれた……?♡♡』
「もちろんだ。ずっと我慢してたんだぞ?」
『リアも中也さんだいすき♡』
「俺も愛してるよ、可愛いなあリア〜♪」
素手で触れられるの、そんなに嬉しいんだもんなあ。
